空調の稼働抑制を実現した現場の工夫[Case510]

埼玉県春日部市にある株式会社浅草製作所では、自動車部品の加工専用機を中心に、各種工作機械の製造・販売を手掛ける。お客さまのニーズに合わせた一品一様の工作機械を設計から加工、組み立て、修理まで一貫して対応する。
電気の「見える化」を導入したきっかけは、代表取締役の薄井秀秋氏が所属する埼玉中小企業家同友会の友人からすすめ。当初は半信半疑だった薄井氏も日本テクノの営業担当から電気料金の算出方法などを聞き、気持ちが変わった。まずはSMARTMETER ERIAを導入。その後、契約していた新電力の撤退を機に電力の供給を日本テクノに切り替え、SMART CLOCKも設置した。

活動の中心は経理を担当する薄井雅子氏。電気の使用が増える夏場、事務所に設置したERIAが黄色に変わったので、まずは事務所の空調を止めた。一旦は落ち着いたものの、暑さの厳しい午後などはおさまらず警報が鳴る。そこで雅子氏は工場に走り、従業員に説明をしてから2台の大型空調を一時的に止めてデマンド値の上昇を抑えた。それを繰り返すうちに、雅子氏が工場に行くと、従業員から「空調、止めておきましたよ」という声がかかるように。ERIAと連動するSMART CLOCKの色を見て自主的に動いてくれたのだ。雅子氏は感謝の気持ちとともに、電気の「見える化」の大切さを実感した。

取り組みはそれだけではない。工場で働く従業員が、空調稼働とともにこれまでも使っていた大型扇風機の配置に工夫をくわえた。1台は空調のすぐ近くに置き、冷風を遠くまで送る。さらに対角線上にもう1台置き、工場全体に冷風がいきわたるように工夫した。結果、ERIA導入前は2台の空調を使用していた工場内も、1台の空調と2台の扇風機で快適な作業環境となった。