運用改善と設備改善をバランスよく、ERIA導入で見えた低減効果[Case246]

三信産業株式会社

大分県大分市新貝

オフィス

九州

従業員101~300名

照明関連

オフィスの省エネ

スマートメーターエリア

四季共通の取り組み

省エネの達人『企業編』

空調管理

設備改善

電力コンサルティング

大分県大分市に本社をかまえ、大分県を中心に17事業所を展開する三信産業株式会社。建設用資材のレンタルや仮設工事の設計・施工をはじめ、太陽光発電システムの販売、携帯電話ショップも運営する。本社では、空調・照明を効率よく使用するため、2011年から運用改善とともに設備改善も積極的に行っている。その取り組みと同年9月に導入したSMARTMETER ERIA(以下、ERIA)の活用法をあわせて、執行役員の柴田紳也氏に話を伺った。

見える化がもたらした省エネの成功ポイント

照明の運用改善を中心とした省エネ

地球温暖化対策協会の省エネ診断を受けたことで、社員の省エネに対する意識が少しずつ芽生えたという同社。まず取り組んだのは外灯の点灯時間の低減だ。さらに蛍光灯の安定器の入れ替えやLEDの導入、空調稼働時のピークずらしといった工夫を通じ、契約電力で29.2%、使用電力量で14.9%の低減が図れた。

  • 省エネ診断で社員に意識づけ
  • 蛍光灯の安定器を省エネタイプへ
  • 営業部署の間仕切りで空調効率を向上
  • 壁を補修して温度ムラを改善

導入効果

導入時期 2011年9月(取材時期 2013年10月)
契約電力 41kW(2011年)⇒ 29kW(2012年)
29.2%DOWN!
使用電力量 39,348kWh(2011年1月~2011年11月)
⇒33,446kWh(2012年1月~2012年11月)
14.9%DOWN!

省エネ診断で社員に意識づけ

「当社はレンタル主体の会社ですので、電気系統に詳しい社員はほぼおりません。省エネ・節電といっても使っていないところの照明を消すくらいでした。2010年10月に大分県地球温暖化対策協会の省エネ診断を受けたことで、現状の課題と対策ポイントを把握することができ、社員の省エネに対する意識が少しずつ芽生えてきました」。そう話すのは、執行役員の柴田紳也氏。診断レポートをもとに取り組みやすさや、低減効果の見込めるものから順に取り組んでいった。

まず取り組んだのは、駐車場に設置してある外灯の点灯時間の低減だ。以前は、18時~5時で点灯していたところを18時~20時に変更した。そのほか、業務の効率化と省エネ効果の両面から残業時間の低減を進めた。また、設備改善面では省エネ効果が見込め、2年以内で投資回収可能なものであれば、積極的に進めていくという方針が決まった。

蛍光灯の安定器を省エネタイプへ

本社が改築されてから15年以上経過しており、蛍光灯の不良が少しずつ見られるようになってきた。「蛍光管自体は問題なかったのですが、安定器の寿命で接触不良がみられるようになりました。灯具ごと入れ替えることも検討したのですが、取引企業から省エネタイプの安定器を提案してもらいました。明るさはそのままで、約35~40%の低減効果が得られるというもので、最初は半信半疑だったのですが、まずは常時点灯する蛍光灯20基の安定器を入れ替えました」。これまでの灯具がそのまま使えるため、導入費用を抑えられるメリットもあった。さらに廊下のダウンライトをLED照明へ変更。柴田氏はどの程度低減効果が得られたのかを確かめるため、2011年9月にERIAを導入した。計測してみると、前年同時期と比較して使用電力量が20%ほど下がっているのがわかった。

営業部署の間仕切りで空調効率を向上

ERIA導入後2カ月は、デマンドピークは訪れなかったが、冬場になると警報が鳴った。各フロアの空調稼働が重なったことが原因だ。とくに3階の大会議室にある2台の空調を同時に稼働し、急激に部屋を温めようとすると警報が鳴る。対策として1台は、1~2時間前から「弱」で稼働し、もう1台は会議が始まる直前につけるようにした。

2011年から新規営業所が増え、これまで本社にいた営業スタッフが各地へ異動すると、本社2階の営業部の在籍人数が減り、空きスペースが目立つようになった。「フロア面積に対して人口密度が低く、空調効率は良くありませんでした。そこで、営業部内を間仕切りして営業机を置くスペースを狭め、新たに出来た場所に書類棚をまとめて書庫にしました」。部屋を20%ほど縮小したことで空調効率が改善した。また、机の配置にあわせて、こまめな消灯ができるよう照明の配線工事を行い、日中の窓際は消灯できるようになった。

壁を補修して温度ムラを改善

事業場内では空調の故障が続いたこともあり、段階的に省エネタイプへ入れ替えが進められてきた。2011年11月にすべての空調を省エネタイプに変更したが、同じ空調を導入したにもかかわらず、各部屋で温度差があった。調査のため温度計を使って隅々まで計測すると、場所によって5度くらい違うところがあった。原因を調べていくと天井と壁の継ぎ目に隙間を発見。身近にあった養生シートを使って隙間をふさいでいくことで補修し、空調効率を改善した。

ERIAを設置して以降、さまざまな省エネ対策を着実に行い、契約電力で29.2%、電力使用量で14.9%を低減。月に平均13万円だった電気料金も、10万円まで下がった。「多くのムダがあり、それを1つずつ改善していきました。投資回収の目途が立つものであれば、今後も積極的に導入していきます」という柴田氏。三信産業株式会社はこれからも、ムダを省く運用改善と、効率的な設備改善でバランスよく省エネ活動を進めていく。

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。クリックで動画を再生します。(4分00秒)

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柴田紳也氏

企業概要

事業内容 建設用仮設機材のレンタル、施工ほか
従業員数 130名
所在地 大分県大分市新貝
URL http://www.san-sin.com

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