省エネと快適な居住空間の構築を実現[Case327]

医療法人梓誠会 有料老人ホーム 赤いりんご

長野県松本市

医療・福祉関連

中部

従業員51~100名

スタッフの連携

スマートクロック

スマートメーターエリア

冬の取り組み

機器稼働の見直し

照明関連

空調管理

設備改善

電力コンサルティング

長野県松本市にある有料老人ホーム「赤いりんご」は、診療所を併設した介護施設。1階に診療所、2階に24床の居室と、ショートステイ10床が揃い、24時間の介護体制のなかで利用者の安心と、心豊かな生活をサポートする。SMARTMETER ERIA(以下、ERIA)とSMART CLOCKを利用した省エネ活動について、院長の小林織絵氏に話を伺った。

見える化がもたらした省エネ成功のポイント

朝と夜でエアコンの温度を使い分ける

同ホームの電力ピークは冬の朝。朝6時、1階にある厨房では朝食準備のため、オーブンや電子レンジといった調理機器がフル稼働し、2階の廊下や共有スペースの空調をつけ始めるタイミングと重なっていた。そこで、調理機器の電源は時間差を設けて立ち上げた。空調は電気代が安い深夜に高めの温度に設定し、朝6時になったら下げるという工夫も。入居者の様子を見ながら温度調節することで、快適な生活が維持できている。

  • 「見える化」を興味づけに活用
  • 調理スタッフの協力
  • 朝食の部屋を移動
  • さらなる目標値は70kW

導入効果

導入時期 2010年11月(取材時期 2015年4月)
契約電力 97kW(2014年)⇒81kW(2015年)
16.4% DOWN!
使用電力量 19万5,215kWh(2013年10月~2014年4月)
⇒17万2,579kWh(2014年10月~2015年4月)
11.5% DOWN!

「見える化」を興味づけに活用

「基本料金を下げる、という省エネの方法はこれまでにない視点だった。ERIAのわかりやすい表示も気に入りました」と話すのは、有料老人ホーム「赤いりんご」院長の小林織絵氏。同施設では過去にもいくつかの会社から電気の「見える化」による電気料金削減の提案を受けたことがあったという。しかし、使用量を数値化するだけでは、省エネに無関心な人にとっては「ふーん、そうなんだ」という程度で終わってしまう。小林氏はERIAの表情やSMART CLOCKの色の変化が、これまであまり省エネを意識してこなかったスタッフへの興味づけになると考えた。
「三人寄れば文殊の知恵という言葉がありますが、省エネにはスタッフの協力が欠かせません」と小林氏。また、入居者が生活する施設のなかで使用量削減をがんばりすぎてしまうと、「暗い」「寒い(暑い)」という問題につながる。利用者の生活を考えても、ERIAを使ったデマンドと使用量の双方からの対策は非常に魅力的だった。

調理スタッフの協力

導入後はERIAやデマンド閲覧サービスを確認することが小林氏の習慣となった。「導入して3週間ほど見ていくと、施設内の電気使用パターンやピークの時間帯を把握でき、ERIAの設定方法にも慣れてきました」。
問題点は、①朝の空調の立ち上げ。②厨房の調理器具の使用時間が重なること。このため、冬場の朝6時前後に電力ピークを迎える。同施設はオール電化の設備が整っており、これまでは朝食の準備のため、オーブンや電子レンジ、食器洗浄機などの電源をすべて入れて、さまざまな作業が同時進行していた。そこで小林氏は厨房スタッフにデマンド閲覧サービスのグラフを見てもらい、使用状況を説明。「使わない」のではなく、ピークの「分散」が必要だと伝えた。当初は「お昼の準備が間に合わなくなってしまうのでは...」という心配の声も上がった。しかし徐々に現場のスタッフから調理器具の電源は使用時に合わせて入れること、食洗機は調理の時間とずらして稼働させることなどのアイデアが挙がった。

朝食の部屋を移動

さらに電力ピークの一因となっていた空調については、これまで日勤スタッフが出勤する朝6時に電源を入れていたが、現在は単価の安い深夜電力を活用。夜9時以降に弱めに空調を稼働させ、ピークとなる朝6時前に電源を切って、灯油ストーブに切り替える。こうすることでピークを抑えるとともに、朝の冷え込みも緩和され、入居者にとってこれまで以上に快適な状態となった。天気予報を確認して、翌日の気温に合わせて空調の稼働時間を調整するなど、小さな気配りが省エネとさらなる快適性を実現させた。
朝食の場所を1階の食堂から、入居者が生活する2階の共有スペースに変えたことも省エネには有効だった。当初は冬場、入居者に少しでも暖かく広い場所で食事をとってもらおうと場所を移動したのだが、これにより朝食の時間に合わせて1階食堂を暖かくする必要がなくなった。

さらなる目標値は70kW

同施設では電気の「見える化」による数値の把握で、効果的な対策が取れるようになり、97kWから81kWへと、16.4%の契約電力低減を実現した。またピーク時以外にも、窓ガラスに断熱のためビニールの緩衝材を貼る。スタッフは制服として着ているポロシャツの下に長袖を重ねるなど、並行して使用量低減を意識した取り組みも実施されている。 今後は、デマンドが再びピークを迎える冬の前に、電気対策委員会を立ち上げることを検討している。「夏場は使用量も落ち着きますので、冬に向け再度みんなに意識をもって取り組んでもらえるよう体制をつくっていきたい。デマンドのさらなる目標値は70kWをめざします」と小林氏。定期的な勉強会も実施するなど、今後も意欲的に取り組んでいく考えだ。

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画再生します。(4分00秒)

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院長 小林織絵氏

企業概要

事業内容 老人ホーム・診療所
従業員数 90 名
所在地 長野県松本市
URL https://azusa-clinic.jp/red-apple/

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導入商品・サービス

  • LEDベゼルと音声で省エネ行動のタイミングをお知らせします。オフィスや学校、工場、店舗などさまざまな場面で活用されています。

    運用改善

  • 電気になじみのない方でも直感的にわかるよう、ニコちゃんの表情で使用状況をお知らせします。スマートクロックのコントロールパネルとして、電力使用の目標値の設定などさまざまな操作を行えます。

    運用改善

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