見える化がもたらした省エネの成功ポイント
働き方改革が生んだコストの低減
自らの敷地に梅林をもち、これを収穫して製品化している。安全管理には自信があったものの、電気の使い方にはさほど関心がなかった。日本テクノのサービス導入でわかったのは繁忙期と閑散期の電気使用量の差。デマンドピークで1年間の電気の基本料金が決まることを考えるといかにももったいない。盛夏に向け、業務工程の分散化を図った。
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ピーク時は事務所の空調を停止
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8月のピークは休業し使用電力を分散
導入効果
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※取材時期:2020年2月
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※導入時期:2018年7月
品質や安全性にこだわるからこそ発生するコスト
株式会社岡畑農園は、和歌山県田辺市で自社栽培の本紀州梅を使い、梅干しを中心にさまざまな商品を製造・販売する。独自の調味液に漬け込んで塩分を調整できる技術をもち、梅のおいしさを引き出しながら栄養成分も保つ。農薬の使用は最低限に抑えているが、さらに残留農薬の検査を義務付け、安全性を徹底している。こうした品質保持には当然コストがかかる。
2018年7月、日本テクノの電気の「見える化」を導入し、品質に影響のない部分でエネルギーのムダを洗い出した。導入初年度はSMART CLOCKがアラームを発すると、事務所など製造現場以外の空調を一時停止して乗り切っていた。
空調の稼働がデマンドピークに直結する
デマンドピークの要因は、工場を一定の温度に保つ空調。梅の保管、クリーンルームでの漬け込みなどで菌の発生や品質劣化を防ぐため、至る箇所で空調が稼働している。6月の収穫を終えると梅干しの製造工程へ移行するが、冷房で負荷が高まる8月のデマンド値は突出していた。
「そこで8月は思い切って3週間休業し、前後の月に残業を増やしたり土日に勤務日を設けたりすることで、作業を分散させました」(経理課 課長 芝大敏氏)。
その結果、導入前のデマンド値から62kW削減し、大きくコストを見直せた。
働き方の見直しに向け次のステップへ
梅の生産は収穫量に左右されるうえ、夏の仕込み期に品質を安定させるため、空調の稼働は避けられない。
「製造の繁忙期はお中元・お歳暮時期ですが、行事に合わせて追加製造するなど、1年中工場は稼働しています。今回、勤務体制の変更によるコスト削減に成功したのを機に、冬の閑散期にも作業を分散させられるか検討しています」
と芝氏は話す。導入から1年半が経過し、電気の「見える化」による省エネは新たなステージに入った。
Comment
今後は使用電力量を計測する30分を意識した行動や、それぞれの機器の設置箇所や定格出力を記した場内見取り図を製作し、より効率的な省エネ活動を模索していきます。引き続き、品質にこだわった商品づくりを徹底し、さらに多くの方にお召し上がりいただけるようネット通販など販路を拡大していきたいです。
企業概要
事業内容 | 梅干及び関連商品の製造 |
---|---|
従業員数 | 35名 |
所在地 | 和歌山県田辺市 |
URL | https://okahata.com/ |
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導入商品・サービス
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