見える化を通じ工程に負荷のない省エネを探る[Case272]

株式会社ナルト

和歌山県有田郡有田川町

食品製造業

近畿

従業員21~50名

ガス・水道関連

スマートクロック

スマートメーターエリア

夏の取り組み

機器稼働の見直し

省エネの達人『企業編』

空調管理

設備改善

電力コンサルティング

和歌山県有田郡に工場をかまえる株式会社ナルトは、地域の名産品である紀州南高梅を使用した「梅うどん」をはじめ、各種麺類の製造・販売を手掛ける。 最近では業務用の製麺にも注力し、顧客のニーズを採り入れたオリジナル麺の研究・開発に積極的に取り組む。「SMARTMETER ERIA」(以下、ERIA)とSMART CLOCKの導入をきっかけに進んだ省エネ活動の様子を専務取締役の成戸真司氏に伺った。

見える化がもたらした省エネの成功ポイント

6トンの貯水タンクを日陰に移設!

麺を冷やす工程で使用する冷水は、地下からくみ上げタンクに保管したのち冷却機で冷やすが、直射日光が当たる場所に設置されていたため水温が上昇していた。そこでタンクを日陰に移設。水温の上昇を抑えることで水の冷却にかかる電力使用量を低減した。ほかにも過度な空調の使用を控えるなど、従業員が自発的に省エネに取り組んでいる。

  • 30分単位のデマンド計測
  • 霜取り時間の変更
  • タンクとチラーの設置場所を移動
  • 空調効率の向上をめざして

導入効果

導入時期 2013年3月(取材時期 2014年5月)
契約電力 162kW(2012年)⇒ 157kW(2013年)
3.0%DOWN!
使用電力量 425,366kWh(2012年7月~2013年6月)
⇒ 392,488kWh(2013年7月~2014年6月)
7.7%DOWN!

30分単位のデマンド計測

「発注から出荷までの限られた時間のなかで、デマンドピークがきたからといって製造を止めるわけにはいきません。そんな状況でどうやって省エネを進めていけばいいのか、電気の見える化がなければわからないままでした」と話すのは、株式会社ナルト専務取締役の成戸真司氏。
成戸氏はSMART CLOCKおよびERIA導入前から、最大デマンド値が契約電力の基になる電気料金の仕組みは把握していた。しかし一方で、30分単位の計測方法など、詳細まではわからなかったという。
その方法を知ったことで、見える化の必要性を感じた同社では、すぐにERIAの導入を決意。導入後はデマンド閲覧サービスのグラフで、時間帯ごとの使用量の動きを確認しながら、問題点の洗い出しと、それに対する省エネの方法を模索していった。

霜取り時間の変更

省エネ対策を考えるうえでは、製造工程に支障をきたさない、すなわち作業者の負担が増えないことを最も優先した。そんななか注目したのは、これまで朝の業務開始とともに一気に立ち上げていた2台の大型空調と冷蔵室の稼働。これを30分の間に立ち上げが重ならないよう時間をずらしていった。
さらに4台の冷凍庫の霜取りも「これまでは1日に4~5回がランダムに設定されており、デマンドピークの時間帯も関係なく、複数台が重なることもありました」と成戸氏。そこで霜取りは、業務終了後の夜間に3回行い、1台ずつ時間もずらしてタイマーを設定した。さらに、2014年3月には気化熱を利用した霜取りシステムを導入したことで、霜取りの回数を2日に1回程度に。デマンド閲覧サービスのグラフを見ると、霜取りによる負荷が減り、使用量の低減にもつながっている様子が確認できる。

タンクとチラーの設置場所を移動

夏場の対策として空調の室外機まわりへの散水も実施した。同社では工場の東側に室外機が設置されており、午前中を中心に強い日差しが当たり、空調負荷の原因となっていた。
そこで、製造現場のスタッフ2名が担当となり、晴れた日の午前中には散水を行う。
製造工程で使用する冷水をつくるための、貯水タンクとチラーにも工夫がみられる。以前は容量10トンのタンクが室外機と同じく工場の東側に設置されていたが、これを6トンタンクに入れ替えて工場の北側に移設。「製造量から考えて10トンという容量は大きすぎたので、以前から対策が必要と考えていました。同時に設置場所も日陰となる北側を選んで、水温の上昇を極力抑えるようにしました」。
大規模な設備改善となったが、タンクの縮小にともない、チラーの台数も減らすことができ、タンク同様に日陰に移動した。

空調効率の向上をめざして

チラーに関してはまだまだ改善の余地がある。「効率的に冷水をつくるためにも、チラーのさらなる容量見直しと設置場所の集約を進めて、水温上昇のロスを少しでも減らしていきたい」と成戸氏。こうした改善は、電気料金の低減だけでなく、製品の品質向上にもつながっていく。顧客のニーズに合わせた麺づくりの研究・開発を進める同社にとって、さまざまな要望に応えられる製造環境の整備は必要不可欠だ。
今後は空調効率を上げるため、屋根への遮熱塗料、もしくは太陽光パネルの設置も検討している。最後に成戸氏は展望をこう話す。「基本的には面倒なことが苦手な性格です。省エネに関しても、品質に関しても、より効率化が図れるのであれば設備改善も含めて積極的に取り組んでいきたい。現場で働くスタッフも喜んでくれると思います」。

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画を再生します。(4分00秒)

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成戸真司氏

企業概要

事業内容 製麺業
従業員数 10名
所在地 和歌山県有田郡有田川町
URL http://narumen.com/company.html

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