見える化がもたらした省エネの成功ポイント
省エネの課題はおもてなしと省エネの両立
創業100年を超す老舗旅館、四季亭は電気の"見える化"・"理解(わか)る化"サービスを導入し、省エネ活動に取り組んだ。もっとも電気を使うのは観光客が大勢訪れ、冷房稼働が増加する盛夏。そこであらかじめ客室を冷やしておき、チェックイン時には空調を切っておくことでおもてなしと省エネの両立を図った。さらにSMARTMETER ERIAが警報を発したときには厨房の空調2台のうち1台を止めた。さらに冷却方式の異なる冷蔵庫に切り替えたことで使用電力量も低減できた。今後は設備改善を進め、省エネに取り組んでいく。
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チェックイン前に空調を稼働しておく
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ピーク時は厨房の空調などで調整
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設備改善で冷蔵庫を入れ替え
導入効果
導入時期 | 2016年2月(取材時期 2022年11月) |
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契約電力 | 88kW(2016年)⇒ 73kW(2022年) 17.0%DOWN! |
使用電力量 | 255,140kWh(2015年2月~2016年1月) ⇒ 203,134kWh(2021年2月~2022年1月) 20.3%DOWN! |
ムダに電気を使わぬよう「見える化」する
古都・奈良を象徴する世界遺産・春日大社。一の鳥居の横に立つ創業100年超の老舗旅館が四季亭だ。「業界団体の会合で偶然電気を"見える化"・"理解(わか)る化"するサービスを聞き、興味をもちました。自施設に入れてムダな電気の使用を抑えたいと考え、導入を決めました」(代表取締役 太井信太朗氏)。導入から1年はデータ収集のため、あえて何もせずに様子を見た。
契約電力・使用電力量ともに引き下げる
検証の結果、もっとも電気を使うのは観光客・参拝客が多数訪れ、冷房稼働が増加する盛夏だった。導入前の契約電力は88kW。太井氏は75kWを目標に据え、まずは空調の稼働方法を改善した。「あらかじめお部屋を冷やしておき、チェックイン時には空調を切っておきます。これなら一斉稼働を抑えられ、なおかつお客さまも入室直後からくつろげます。このようにおもてなしと省エネは両立できると思っています」。SMARTMETER ERIAが警報を発すると太井氏は厨房に行き、少しの間厨房の空調2台のうち1台を止めるよう要請する。さらに厨房ではポンプの稼働が必要な水冷式冷蔵庫から空冷式に変更することで使用電力量も低減できた。
今後の課題は設備改善
チェックアウト後の点検・清掃では電化製品のコンセントをすべて抜き、待機電力をゼロにする。施設内の照明をLEDに置き換えるなど設備改善も着々と進めており、現在の契約電力は73kW。「古い建物ですから今後も折を見て設備を入れ替えていく必要があります。徐々にコロナ禍から回復するなかで、空調を新しくすることも検討しています。費用対効果を考えながら設備改善を進め、契約電力を70kWまでもっていきたいですね」。
Comment
チェックインの時間は私がお客さまに対応するため、手が離せません。この時間は警報が鳴ることのないよう、48コマのデマンド設定機能であえて高めに設定しています。これからもおもてなしと省エネを両立させつつ、お越しくださったお客さまに満足いただけるサービスを提供してまいります。
企業概要
事業内容 | 宿泊業 |
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従業員数 | 9名(2022年11月現在) |
所在地 | 奈良県奈良市 |
URL | http://www.shikitei.co.jp/ |
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導入商品・サービス
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SMARTMETER ERIA(スマートメーターエリア)
電気になじみのない方でも直感的にわかるよう、ニコちゃんの表情で使用状況をお知らせします。スマートクロックのコントロールパネルとして、電力使用の目標値の設定などさまざまな操作を行えます。
運用改善
大阪第一営業所/大阪第二営業所/大阪第三営業所/大阪第四営業所/大阪第五営業所
パワフルネットワークでお客さまの省エネ・省コスト化を強力バックアップ!
こちらのお客さまは当営業所が担当しています。
大阪府大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 タワーC 10階
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