佐賀県太良町にある鶴荘は、日本最大の干潟として知られる有明海を眼前に臨む温泉宿。この地域は「太良竹崎温泉」と呼ばれ、海沿いを中心に十数件の宿泊施設が並ぶ。鶴荘では、アットホームな雰囲気のなか、温泉と、有明海で育った竹崎カニや宿主お薦めの佐賀の日本酒を堪能できる。常務取締役の赤木一成氏に、お客さまの快適性を損なわない省エネの工夫を伺った。
見える化がもたらした省エネ成功のポイント
「佐賀の名酒」も省エネのアイテムになる!
温泉と地元の名産が自慢の同旅館では、夕食を提供する時間帯に電力使用が増え、特に夏場は客室、風呂場、厨房などの空調稼働が重なり電力ピークを迎える。そこで毎日19時に冷凍庫の電源をオフにし、扉を開閉せず庫内の温度を保つようにした。そのほか食事処では、時間制限を設けた日本酒飲み放題を実施。その間、客室の空調を「弱」に設定することでメリハリのある空調の稼働を実現した。
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電気代の値上がりがきっかけ
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忙しい時間帯のデマンド対策
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感謝のアイスクリーム
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さらなる目標値の設定
導入効果
導入時期 | 2014年2月(取材時期 2015年3月) |
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契約電力 | 71kW(2013年)⇒ 60kW(2014年) 15.4%DOWN! |
使用電力量 | 208,537kWh(2012年6月~2013年4月) ⇒ 198,017kWh(2015年6月~2016年4月) 5.0% DOWN! |
電気代の値上がりがきっかけ
鶴荘がSMARTMETER ERIA(以下、ERIA)とSMART CLOCKを導入したのは、2014年2月。常務取締役の赤木一成氏は当時を振り返りこう話す。「以前からデマンドピークが基本料金に反映される電気代の仕組みについては知っていました。また周囲の同業者のなかには、デマンド対策に取り組んでいる旅館もあり、地域全体でみても省エネの意識は高いほうだったと思います」。しかし一方で、デマンドピークの時間帯がいつなのか、ピーク時にはどう対応したらいいのか、また接客に集中しなければいけない状況のなかで省エネを実行することができるのか、具体的な対策には踏み込めていなかった。
そんななかで、2013年4月の九州電力の電気代値上がりを受け、さらに省エネ意識が高まる。赤木氏は日本テクノから電気の見える化の提案を受け、「まずは基本料金を下げることを目標にしよう」と、ERIAの導入を決めた。
忙しい時間帯のデマンド対策
ERIAは受付の横に、SMART CLOCKは従業員が頻繁に行き来するパントリーに設置した。「受付には常に誰かしらいますし、SMART CLOCKはほかの従業員にも省エネ意識をもってほしいという思いから設置場所を決めました」。
デマンドピークは、夏場の夜7時前後。客室とともに、食事処や風呂、厨房でも空調を使用する。さらにこの時間帯に冷凍庫の霜取りが重なると、デマンドピークが一気に上がりERIAの警報が鳴る。そこで赤木氏は、バックヤードにあるプレハブ型の大型冷凍庫の電源を一時的に止めることを決めた。「デマンド閲覧サービスや冷凍庫の温度を確認して、庫内の温度には問題のないこともわかりました」。また止めている間は保冷効果を保つため、冷凍庫の扉を開けないことも徹底。こうして旅館のもっとも忙しい時間帯でも実施可能なデマンド対策が決まった。
感謝のアイスクリーム
冷凍庫の対策とともに、ピークの時間帯には、すでに冷房が効いている廊下や、利用者の少ないロビーなどでも空調を止める。さらにそれでも数値が抑えられないときには、厨房の空調も止めた。自らも厨房に立つ赤木氏は「調理中のスタッフには厳しい状況もあったと思いますが、状況を説明して協力してもらいました」。協力してくれたスタッフにはアイスクリームを配るなど、身体への配慮とともに感謝の気持ちを伝えたという。
同館では、昨年より客室での食事を止め、食事処で食事を提供している。「"和醸良酒"をコンセプトに、アットホームな雰囲気のなかで、お食事やお酒を楽しんでいただきたいとの思いからですが、これが結果的に省エネにもつながっています」と赤木氏。以前は部屋食のため、すべての客室で常に空調が稼働していたが、現在は、食事の時間帯にスタッフが客室の布団を準備して、空調も弱めに調整する。食事処と客室の使い分けで、メリハリのある空調の稼働が可能になった。また食事処を使用することで、従業員の作業もスムーズになり、これまで以上に行き届いたサービスが提供できるなど、波及効果がみられる。
さらなる目標値の設定
同館ではERIAの電気使用量お知らせ機能を活用し、前日比でどのくらいの電気が使われているのか把握している。前日比で50%になる時間帯は日によって違い、この違いがムダな照明や空調を使っていないか、館内を見回る目安になっている。
ERIA導入から1年が経ち、契約電力は71kWから60kWへと、11kW低減した。使用電力量も5%の低減効果が表れている。さらにこの夏のデマンド値の目標は現状から3kW低減の57kWをめざす。デマンド閲覧サービスで昨年の数値を確認してみると、57kWを超えたのはわずか4日間のみ。赤木氏は今年も同じような条件の日を集中的に注意していくことで、効率的にデマンド低減をめざすことができると考えている。また今後は、老朽化してきた空調の入れ替えも検討している。「旅館は、その雰囲気を五感で感じ、くつろいでいただく場所です。温度や湿度に気を配り、お客さまに快適に過ごしていただけることを第一優先に、さらなる省エネもめざします」と赤木氏は結んだ。
省エネの達人『企業編』で放映されました!
テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画再生します。(4分00秒)
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常務取締役 赤城一成氏
企業概要
事業内容 | 旅館 |
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従業員数 | 10名 |
所在地 | 佐賀県藤津郡太良町 |
URL | http://www.tsurusou.jp |
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導入商品・サービス
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SMARTMETER ERIA(スマートメーターエリア)
電気になじみのない方でも直感的にわかるよう、ニコちゃんの表情で使用状況をお知らせします。スマートクロックのコントロールパネルとして、電力使用の目標値の設定などさまざまな操作を行えます。
運用改善
長崎営業所
パワフルネットワークでお客さまの省エネ・省コスト化を強力バックアップ!
こちらのお客さまは当営業所が担当しています。
長崎県長崎市桜町5-3 大同生命長崎ビル2階
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