「今月のことば」...最近話題の環境・エコ・省エネに関することばを解説します。
パリ協定とは地球温暖化防止対策の1つで、2020年以降の温暖化対策を定めた国際協定のことです。2015年11月30日から12月13日まで、パリ郊外で開催された国連の気候変動枠組条約 第21回締約国会議(通称COP21)で正式に採択されました。この協定の発効は2016年11月4日で、1997年の「京都議定書」から18年振りの国際合意で、議定書を離脱した米国や温室効果ガスの排出量が急増している中国、インドを含む196の条約加盟国・地域のすべてが参加しているため、「画期的な合意」と高く評価されていました。
地球温暖化対策に先進国、途上国を問わずすべての国が参加し、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2℃未満(努力目標は1.5℃)に抑えること、21世紀後半には温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目標としています。締約国は各自が削減目標を立てて5年ごとに見直し、国連に実施状況を報告することが義務づけられました。また、先進国は途上国への資金支援を引き続き行うことも定められました。
このような内容のパリ協定ですが、問題が起こっています。2017年6月、アメリカのトランプ大統領が突如としてアメリカのパリ協定離脱を発表しました。この発表に加盟国は動揺を隠せませんでした。というのも、アメリカの温室効果ガス排出量は中国に次いで全世界で2位なのです。推測の域を出ませんが、トランプ大統領はパリ協定離脱に関して、国際協定よりもアメリカの経済的利益を考え離脱表明をしたのではないかといわれています。パリ協定(地球温暖化対策)の目標達成には資金が必要です。大国のアメリカからの資金が減ると、目標達成に影響を与えかねません。今まで各国が努力し、地球温暖化への対策を行っているなか、アメリカ抜きでの目標達成が果たして可能なのか、先行きは不透明です。