
「今月のことば」...最近話題の環境・エコ・省エネに関することばを解説します。
地球温暖化の進行により、海面の水位が上昇しています。この100年あまりの間に海水面は20㎝ほど上昇したと考えられています。また今後はより温暖化が進むと予測されるため、2100年にはさらに26~82㎝上昇するとみられています。
-
※IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書より
現在既に、フィジー共和国、ツバル、マーシャル諸島共和国など海抜の低い島国で、高潮による被害が深刻になっています。海水が田畑や井戸に入り込み作物が思うように育たない、飲み水が塩水となるなど人々の生活に大きな影響が出ています。平均海抜が1.5mのツバルでは、2002年7月からニュージーランドへの移住も始まり、ツバル政府は「環境難民」であることを国際社会に訴えかけています。
海面上昇の原因は、主に水温の上昇にともなう海水の膨張や、山岳氷河・南極・グリーンランドの氷床の融解にともなう海水の増加と考えられています。気温が上昇することで海水温が高くなり、海水の体積が膨張し増加することは、海面上昇の要因の一つです。また、陸上にある氷河や氷床が解けてしまった場合、陸上の氷が水になり海へ流れ込むことによって、海面上昇につながります。氷河や氷床は、大陸や島などを覆うほどの大きさであるため、大きさによって重大な影響を与えます。
このまま地球温暖化が進み海面上昇が進行し続けると、より深刻な状況に陥ります。日本では1mの海面上昇で日本全国の砂浜の約90%が失われるとされています。40cmの上昇でも、120m分の干潟が消失すると予測されています。海岸に住む生物や付近に住む人々に深刻な影響を与えることになります。
海面上昇は地球温暖化が主因であるため、温暖化対策が海面上昇を防ぐことにつながります。海面上昇については、防波堤の増設などの物理的な対策をとることができますが、根本的な解決にはつながりません。地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの削減を一人ひとりが心がけた社会が必要となってきます。