今月のことば:「砂漠化」とは?

今月のことば

「今月のことば」...最近話題の環境・エコ・省エネに関することばを解説します。

地球の砂漠化が深刻な問題となっています。砂漠化とは、乾燥地域や半乾燥地域などで土壌が劣化し、植物が育たなくなり砂漠の面積が拡大していくこと。土壌が劣化していくことで、食物栽培ができなくなり、食糧問題につながっています。2015年時点で、土壌の劣化によって世界の食料生産が2035年までに12%減少すると予測されており、このまま砂漠化が進行すれば、世界で毎年264万ヘクタール(岩手県と秋田県を合わせたぐらいの面積)の耕作地が消滅するといわれています。

砂漠化は1970年代から問題となっており、国連環境計画は1977年に人間活動によってもたらされた砂漠の面積や砂漠化の影響を受けている人口など報告しました。この報告は国連砂漠化防止会議で行われ、それに伴い砂漠化の定義と砂漠化防止行動計画が採択されています。さらに1994年には国連砂漠化対処条約が採択されています。

砂漠化が起こる要因は、気候的要因と人為的要因に区分できます。気候的要因は地球温暖化とそれに伴う気候変動が主な原因です。近年、地球温暖化が進行したことで気温が上昇し、気候変動による影響で異常少雨や干ばつに陥る地域が増加しました。こうして大地の水分が失われてひび割れ、土壌の劣化が加速し砂漠化が進んだのです。一方、人為的要因は人間の生産活動が主な原因です。農作物を作るための過剰な耕作や開拓による土壌の栄養分の消費、限度を超えた過剰な放牧による植物や水資源の消費、過剰な伐採による森林の減少などです。

砂漠化は世界に影響を及ぼす問題であり、日本も決して無関係ではありません。砂漠化は、その周辺国などにも影響を与えます。たとえば、中国の黄砂が砂漠化の影響を受け、今後さらにひどくなる可能性があります。また先にも述べましたが、砂漠化は食糧問題につながっています。食料自給率が低い日本においては、深刻な問題になりかねません。砂漠化を対岸の火事ととらえず、まずは関心をもつことから始めてみましょう。

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