「気づいて確認する」の習慣化で、使用電力量低減に成功[Case523]

長崎カンツリー倶楽部は2025年で創業70年を迎える。地形を活かした起伏あるコースが特徴で地元客はもちろん、遠方からプレーに訪れる客も多い。日本テクノの電気の「見える化」サービスを導入したのは2023年3月。2021年冬の電力価格高騰にともない新電力各社が電気小売り事業から撤退した影響で一般送配電事業者の最終保障供給に移行したが、通常よりも高い料金に苦しんでいた。「試算してもらうと当時の電気料金より安くなることが分かり、SMART CLOCKによる"見える化"とセットで導入を決めました」と総支配人の岩根信弘氏は話す。

サービス導入前は使用電力量や時間帯ごとの市場価格を気にしたことがなかったという岩根氏。「見える化」することで時間・状況に合った効率的な電気の使い方ができるようになった。九州エリアは太陽光発電がさかんなため日中が安値傾向。事務所に設置したSMARTMETER ERIAのモニターで電力単価が安い時間帯を確認し、集中的に電気を使う。一方、早朝は利用客のクラブハウス滞在時間が短いため空調はつけず、夕方は館内の人数次第で空調を早めに切る、という具合に日中以外の電気の使用を抑えることが電気料金の低減と省エネにつながっている。

「見える化」の導入は古くなった設備を見直すきっかけにもなった。コース上に設置されている自動販売機を最新式の省エネタイプに変更したところ、保冷機能が強化され使用電力量を下げる効果があった。2階休憩スペース内にあるレストランの冷蔵庫は20年以上使用しており、熱効率が悪い。次はこれを改善したいと考えている。「電力供給を目的に"見える化"を導入しましたが、顔を上げればぱっとSMART CLOCKが目に入り、市場単価や電力単価や使用量がすぐに分かるところが気に入っています。省エネについても従業員に説明しやすくなりました」（岩根氏）。